福岡プロマーケット(Fukuoka PRO Market)
Fukuoka PRO Marketとは
福岡証券取引所(以下、「福証」という)において、TOKYO PRO Market(TPM)に続いて国内2ヶ所目となるFukuoka PRO Market(福岡プロマーケット、FPM)が、2024年12月16日に開設されました。
福証の既存の本則市場や新興企業向け市場Q-Boardに続く第三の市場として開設され、福証の既存市場をはじめとした一般市場への上場(ステップアップ上場)を目指す企業に対して幅広い関係者から支援が得られる場を提供しています。
Fukuoka PRO Marketの特徴
Fukuoka PRO Market の市場制度としては、TOKYO PRO Market(TPM)と同様、以下の3点が大きな特徴です。
① 投資家が限定されていること
② 上場に数値基準が設けられていないこと
③ F-Adviser制度があること
Fukuoka PRO Marketにおいて買付け可能な投資家は特定投資家等(プロ投資家)に限定されており、特定投資家等を除く一般投資家の買付けは禁止されています。
(表)特定投資家等の概要
(福証HP「Fukuoka PRO Market Guide Book」より抜粋)
買付け可能な投資家がリスク許容度の高い特定投資家等に限定されていることを踏まえ、上場時に満たす一部の基準が、Fukuoka PRO Marketでは一般市場に比べて軽減されています。一般市場で規定されている株主数や利益の額等の形式基準がFukuoka PRO Marketにおいては規定されていない一方で、コーポレートガバナンス等に関する上場適格性要件(実質基準)に関する基準は規定されており、福証から認定を受けたF-Adviserによる調査及び確認が行われることとなっています。
F-Adviser制度は、TOKYO PRO Marketにて運用されているJ-Adviser制度を参考にした制度です。(詳しくは、J-Adviserとはをご覧ください。)
F-Adviserの役割
(福証HP「Fukuoka PRO Market Guide Book」より抜粋)
Fukuoka PRO Marketの開示・監査制度
開示についても、リスク許容度の高い特定投資家等に限定されていることを踏まえ、Q-Boardや本則市場等の一般市場の新規上場では最近2年間の監査証明が必要になるところFukuoka PRO Marketにおいては最近1年間の監査証明のみが求められるほか、上場後の四半期開示も任意となっています。
(表)Fukuoka PRO Marketの上場制度概要
(福証HP「Fukuoka PRO Market Guide Book」より抜粋)
2009年に開設されたTOKYO PRO Marketの新規上場会社数は年々増加しており、その理由として、IPOの一般的なメリットに加え、形式基準がないことや上場時の資金調達が必須ではないといった上場時のハードルの低さや、一般市場へのステップアップとして活用すること、上場後もJ-Adviserとの契約を維持することでサポートを受けられること等が挙げられます。
Fukuoka PRO Marketにおいても、TOKYO PRO Marketと同様、本則市場やQ-Boardの上場でなくとも、上場企業としてのガバナンスが一定程度整っていることを対外的にアピールすることができるとともに、企業としての信用度や知名度の向上が期待できるため、企業の一層の成長と企業価値向上を目指す上での選択肢が一つ増えたと言えます。
Fukuoka PRO Marketから一般市場への市場変更(ステップアップ上場)
Fukuoka PRO Marketはプロ向け市場であることから、プロ向け市場を除く国内の他の金融商品取引市場との重複上場を行うことは認められていません。そのため、Fukuoka PRO Marketから本則市場等他の金融商品取引市場へ市場変更ステップアップ上場)を行う場合は、当該市場に新規上場申請を行い、Fukuoka PRO Marketに上場廃止申請を行う必要があります。
響きパートナーズでは、Fukuoka PRO Marketへの上場支援の実績があり、発行者情報や内部管理体制の構築等の支援を行っております。
響きパートナーズ株式会社
響きパートナーズは、IPO支援を行なうコンサルティング会社です。ベンチャー企業の経営支援・IPO支援のプロフェッショナルとして、毎年、国内で上場する企業のおよそ10社に1社をご支援しています。当社では、IPOに関する課題をお持ちのお客様に、アドバイスだけでなくコンサルタントが実際に手を動かして、課題解決に向けて伴走支援いたします。
伊東 誌郎
公認会計士。有限責任あずさ監査法人にて、上場会社の法定監査およびIPO監査、ショートレビュー、その他アドバイザリー業務等に従事。2018年に響きパートナーズに参画、パートナーを務める。