スイングバイIPO
スイングバイIPOとは、スタートアップ企業が一時的に大企業の傘下に入ることによって、顧客基盤や組織体制等のサポートを受け成長し、IPOする手法を指します。
2015年に創業したIoT向けのデータ通信事業を手掛ける株式会社ソラコムが、2017年にKDDIグループの一員となり、2024年3月のグロース市場に上場したことで注目された手法で、宇宙探査機が天体の引力を利用して加速できるという宇宙用語の「スイングバイ」と「IPO」を組み合わせた造語です。
大企業によるM&Aを受けて、大企業のリソースやネットワークの活用、特にビジネスでの協業、研究開発、市場開発の支援といった面でビジネス基盤を固めることができること、大企業の信用により当該企業の信用力の向上が期待できることなど様々なメリットが考えられます。
一方、デメリットとしては、大企業の傘下に入ることで、独立性の制約や企業文化の相違等により期待した効果が得られないことが考えられます。
そして、スイングバイIPOにおける重要な論点としては、「親子上場」が挙げられます。 最近では、「資本コストや株価を意識した経営の実現」の要請も踏まえ、中長期的な企業価値向上の実現に向けた経営資源の適切な配分の観点からも、親子上場の在り方に関する検討や開示のニーズがますます高まっており、子会社の独立性の問題などをはじめ、親子上場の形態をとる意義について問われていて、完全子会社により非上場化するケースが増えてきています。
また、東証において、少数株主保護の観点から必要な上場制度の整備についても、検討を継続(上場子会社の独立社外取締役の独立性確保など)することとしています。
響きパートナーズでは、スイングバイIPOを検討しているスタートアップ企業が大企業によるM&Aを受けるために、M&Aを見据えた自社の経営状況、財政状態の分析支援や事業計画策定から企業価値の算定(試算)など支援することが可能です。またM&Aファイナンシャル・アドバイザリーなども支援をいたします。
響きパートナーズ株式会社

響きパートナーズは、IPO支援を行なうコンサルティング会社です。ベンチャー企業の経営支援・IPO支援のプロフェッショナルとして、毎年、国内で上場する企業のおよそ10社に1社をご支援しています。当社では、IPOに関する課題をお持ちのお客様に、アドバイスだけでなくコンサルタントが実際に手を動かして、課題解決に向けて伴走支援いたします。
井熊 実
野村證券公開引受部、㈱エイチ・アイ・エス上場準備PJ統括、エイチ・エス証券取締役、事業会社取締役、SBI証券執行役員などを歴任し、2021年に響きパートナーズに参画。取締役パートナー。