サービス業

上場申請書類(Ⅰの部、Ⅱの部、各種説明資料)の作成

コーポレートガバナンス・コード対応

社内規程の策定、運用、見直し

決算開示、開示体制構築

証券審査、取引所審査対応

株式会社サンウェルズ

業種
サービス業(パーキンソン病専門の有料老人ホームを中心とした介護事業)
都道府県
石川県
上場市場
2022年6月
グロース市場へ新規上場
従業員数
1,172人(2022年4月末現在)

支援項目

経営管理体制構築の包括的支援および上場申請に関する資料作成、審査質問対応を支援いたしました。

Q1.御社のビジネスについて教えてください。

PDハウス医療特化型住宅(パーキンソン病専門の介護施設)、グループホーム、デイサービスの提供や、福祉用具事業、加圧トレーニング事業といった介護系サービスのハイブリッド経営を展開しています。

このうち弊社の成長戦略の中核を成す事業は、PDハウスの開設・運営です。当施設では、ホーエン・ヤール重症度(パーキンソン病の進行度)Ⅲ~Ⅴ度の患者様を対象に、専門医監修のパーキンソン病に特化したリハビリプログラムや、神経内科専門医による訪問診療、24時間体制の訪問看護・服薬管理などのサービスを提供しています。

2018年6月に、石川県の「太陽のプリズム白山annex」内にパーキンソン病専門フロア「リライフ白山(現:PDハウス白山)」を開設したのを皮切りに、福岡、北海道、神奈川、大阪、東京、千葉と着実に施設数を増やし、多くの利用者様に高い評価を得ています。

Q2.IPOを目指すに至った経緯を教えて下さい。

2014年4月に監査法人にIPO課題調査(以下、「ショートレビュー」)を依頼しました。

ショートレビューを依頼した理由のひとつは、当時はまだ独立系の介護会社で上場している会社が存在せず、弊社代表取締役社長がぜひ一番乗りでそれを実現したいという熱い志を抱いていたからです。また、将来的に全国規模で事業展開することを視野に入れていたこともあり、信用力や知名度を向上させ、資金調達をスムーズに進めるためにも、IPOを果たすことは不可欠であると判断したことも理由でした。

本格的にIPO準備に取り掛かるまでには少し時間が空いているのですが、2018年8月ころからショートレビューをもとに上場会社として求められるコーポレート・ガバナンス体制の構築に着手していきました。

Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えてください。

印刷会社の担当者様から響きパートナーズ様をご推薦いただいたことがきっかけです。

IPOに向けて限られた時間や人員のなかで多くのタスクをこなす必要がありましたが、当然ながら弊社にとってIPOは初めてのことなので、社内には経験者もいなければ知見も蓄積されていません。どうしたものかと思案していたところに、「実績のあるよい会社がある」と紹介を受けたのが響きパートナーズ様でした。

Q4.どのような課題、お困りごとありましたか?

IPO準備にあたっては、弊社総務経理部のメンバーを中心としたチームを結成して、体制整備や資料作成等の準備を進めていきました。

そのなかでも、とくに時間や労力を要した分野は、「利益管理・予算管理」や「クレーム等の管理」でした。

「利益管理・予算管理」については、管理会計の体制が十分に整備されておらず、計数管理や利益計画、実績管理等の仕組みを構築するまでに四苦八苦しました。

上場経験のある人材を東京で採用して、その人物を中心に管理会計の体制や資料等の整備を進めていきましたが、本社は金沢、担当者は東京勤務と距離が離れていたこともあり、意思疎通を図るのに少しタイムラグが生じて、やりとりにスピード感がないという課題を抱えていました。また、主幹事証券の最終審査に入る直前に主要メンバーが抜けて苦労する場面もありました。

「クレーム等の管理」については、各施設における施設利用者様からのクレーム等について、従来より発生した案件ごとに対応はしていたものの、報告体系や対応方法等について明示的なルールがなく、結果的に内容をしっかり検証するための体制が構築されていませんでした。これについては、1からルール作りに取り組み、その運用においては、施設スタッフのクレーム等に対する意識改革も含めて徹底する必要がありました。

Q5.響きパートナーズを選んで頂いたご理由を教えて下さい。

前述のとおり、印刷会社の担当者様にご紹介いただいたのがきっかけで、響きパートナーズ様にお声がけしました。実際に岡本様にお会いしてみて、フットワークが軽く、なんでもご相談できそうな方だなと好印象を持ったことを覚えています。当然、響きパートナーズ様自体の豊富な実績も魅力的だったこともあり、支援をお願いすることにしました。

IPO準備において複数のIPOコンサル会社を利用することもあるようですが、弊社では、響きパートナーズ様以外にご協力いただいたコンサル会社はございません。無事株式公開を果たせたということは、参考書をたくさん買って受験に失敗するパターンよりも、1冊の参考書で受験に臨んだほうが結果的にはよかった、ということでしょう。

Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。

岡本様には、どんなに些細な質問に対しても、電話等で丁寧にご対応くださり感謝しています。主幹事証券の担当者には相談しにくいことも岡本様には話しやすかったことから、規程やガバナンスについてなどあらゆる相談事を持ちかけました。その都度、的確な回答やアドバイスをもらえて心強かったです。また上場して終わりではなく、上場後最初の有価証券報告書を作成する際にも、細やかにサポートいただきとても助かりました。

高橋様には、とくに社内規程の整備でお世話になりました。当初は、弊社内にもともとあった規程を使用していましたが、そのまま使い続けていたら道に迷って引き返せなくなっていたところを、高橋様にご尽力いただいたおかげで軌道修正することができました。このことは、弊社にとって極めて大きな助けになりました。

最初の印象どおり、頼りがいのある岡本様や高橋様とタッグを組むことができて、本当に正解だったと感謝しています。

同郷の石川県でこれからIPOを目指す会社さんにアドバイスを送るなら、「響きパートナーズ様に依頼すれば間違いない」と強くお伝えしたいですね。

ついでながら、IPOを経験した企業として一言、「日頃から過去の取引情報などをしっかり整備しておくことが望ましいですよ」ということも付け加えておきたいです。いざIPOに向けて準備しようとしても、創業時などの古い情報は残していない、担当者が何人も変わっていて辿るのが難しいとなれば、情報集めに苦労します。反対に、情報を適正に管理・蓄積しておけば、審査のハードルはそんなに高くないかもしれません。
いずれにせよ IPO準備には長い時間と労力を要しますが、響きパートナーズ様のようなプロフェッショナルをパートナーに選んで、地道に進めていけば、よい結果を得られるのではないかと思います。

Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。

上場から1カ月ほど経ちますが、想定を上回るIRのお申し込みをいただており、嬉しい悲鳴を挙げています。現在、代表取締役社長をはじめ、担当者が積極的に対応しているところです。

今後の展望につきましては、「事業計画及び成長可能性に関する事項」にて2025年3月までの売上目標等を公開しています。経営戦略の中心には、PDハウス、およびパーキンソン病に特化した新サービスの提供を据え、目標達成に向けて邁進しています。

2022年8月現在、PDハウス以外のパーキンソン病患者様専門の介護施設は、全国に1社1施設だけしか存在しません。弊社はこの分野のトップランナーとして、国内の大きな需要に応えるべく、さらなるサービスの拡充によって、パーキンソン病患者様とご家族様を多方面からサポートしていく所存です。

PDハウスは、今期内に通算20棟の開設を実現し、来期は8棟の増設を予定しています。

また、新サービスの展開にもご期待いただきたいところです。

2019年10月より国内最大級のパーキンソン病患者の治療実績を持つ順天堂大学と、マイクロソフト社、そして弊社が共同で、パーキンソン病患者様の遠隔診療やケア等の研究に取り組んでいます。2022年6月には、マイクロソフト社のシステムを用いて、東京の順天堂大学と金沢市の「PDハウス小坂」を結び、国内初となる双方向型オンライン遠隔診療の実証実験に成功しました。こちらは年内のサービス開始をめざして、着々と準備を進めています。

もうひとつ、国内外向けの新サービスとして、軽度パーキンソン病患者様に向けたサービスや、悩み事を交換できるコミュニティの提供等を計画しています。パーキンソン病患者は世界に800万人いるといわれています。その方々に、ICTやIOT技術を駆使して集めたエビデンスに基づく最新情報や、パーキンソン病の専門医が監修したサービスをお届けすることにより、広く社会貢献していきたいと考えています。

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