ロードショーマテリアル

ロードショーマテリアルは、上場承認を受けた会社(以降、「発行体」)が、機関投資家向けの説明会(以降、「ロードショー」)の際に用いる資料です。ロードショーでの説明を補助する目的があり、会社概要や事業内容、市場環境、発行体の強み、成長戦略などのエクイティ・ストーリーを伝えるプレゼンテーション資料として、グラフや図表などのビジュアルなどを入れて分かりやすく仕上げる必要があります。

ロードショーマテリアルの位置づけ

IPO時のファイナンスは、証券取引所から上場を承認されて以降に募集勧誘を開始することができます。従って、ロードショーの実施も上場承認を合図に解禁されます。金融商品取引法の定めにより勧誘行為は目論見書をもって行うこととされていますので、ロードショーマテリアルの内容は目論見書に記載の範囲内に留められ、あくまでプレゼンテーションの補助資料として用いられます。このほか、上場申請前に機関投資家の感触を確かめる意味合いから行うインフォメーションミーティングでも使われます。

目論見書に記載されている内容以上のことを原則として記載できないのは、フェアディスクロージャーの観点から、投資家が得られる情報に差が出ることがないようにするためです。また、ロードショーマテリアルはロードショー終了後に発行体が回収し、投資家の手元に残らないようになっています。新型コロナ感染症流行以前は、ロードショーは直接面談するかたちで開催することが一般的でしたが、昨今は感染予防の観点からオンラインでの開催も増えたため、ロードショーマテリアルの録画・撮影のリスクも想定されるようになっています。このため、資料のダウンロード・印刷をできない仕様としたロードショー専用のアプリケーションを提供する証券会社もあります。

    ※目論見書:有価証券の募集あるいは売出しにあたって、その取得の申込を勧誘する際等に投資家に交付する文書のことで、金融商品取引法第13条によって作成が義務付けられています。投資家の投資判断の基準となる情報を提供することを目的として交付されます。

 

ロードショーマテリアルの作成

ロードショーマテリアルの作成の流れは、東証グロース市場や名証ネクスト市場へ上場予定の企業の場合、申請時に提出する「事業計画及び成長可能性に関する事項(ドラフト版)」の内容とベースにしながら作成するのが一般的です。東証スタンダード市場、名証メイン市場、東証プライム市場、名証プレミア市場の場合は「事業計画及び成長可能性に関する開示」は不要なため、上場Iの部やIIの部、会社案内資料や事業計画、企業理念などを参照しながら作成します。発行体が上場承認を受ける前に行った資金調達などで、投資家向けの説明資料を作成した場合はそうした資料なども参考になるでしょう。

前述の通り、ロードショーマテリアルの内容は目論見書の記載と整合させなければなりません。目論見書の記載事項は、金融商品取引法で定められていますので、作成にあたっては、必ず主幹事証券会社や弁護士のチェックを受けましょう。

作成したロードショーマテリアルの内容は、主幹事証券会社からアドバイスを受けながらブラッシュアップしていきます。ロードショーで投資家から受けた質問や反応を参考にしながら、都度加筆修正を加えていくことも可能です。

響きパートナーズでは、ロードショーマテリアルの作成ご支援、ロードショー対応において豊富な実績がございます。
貴社のIPOに向けて、包括的なサポートも可能ですので、ぜひご相談ください。

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響きパートナーズは、IPO支援を行なうコンサルティング会社です。ベンチャー企業の経営支援・IPO支援のプロフェッショナルとして、毎年、国内で上場する企業のおよそ10社に1社をご支援しています。当社では、IPOに関する課題をお持ちのお客様に、アドバイスだけでなくコンサルタントが実際に手を動かして、課題解決に向けて伴走支援いたします。

監修者

井熊 実

野村證券公開引受部、㈱エイチ・アイ・エス上場準備PJ統括、エイチ・エス証券取締役、事業会社取締役、SBI証券執行役員などを歴任し、2021年に響きパートナーズに参画。取締役パートナー。

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