コラム

「東京ベンチャー企業選手権大会2023」イベントレポート

去る2024年1月22日、「東京ベンチャー企業選手権大会2023~FINAL~」にパートナーの高橋(以後、私。)が審査員として参加しましたので、イベントレポートをお届けします。

「東京ベンチャー企業選手権大会2023」とは

「東京ベンチャー企業選手権大会2023」は、“東京からユニコーン企業を創出する“をスローガンに、東京ユニコーンプロジェクト運営委員会(発起人:有限会社ロッキングホース 代表取締役 森部好樹様)が開催する東京都後援のベンチャー企業によるピッチコンテストで、今年で開催第5回目を数える大会です。
私は昨年の第4回開催で「ユニコーン部門」の審査員として参加させて頂きましたが、今回は「ユニコーン部門」と「ヒヨコーン部門」両部門の審査に携わらせて頂きました。
本イベントには今年も100社近いエントリーがあったそうですが、エントリー審査から二次審査を経てファイナルへ勝ち進んだ各部門の計14社が、熱いピッチを披露しました。

昨年に劣らず素晴らしいプレゼンテーションばかりで、審査員も白熱した審査を行った結果、受賞企業は以下の通りとなりました。

【ユニコーン部門】

・最優秀賞(東京都知事賞)
 アスエネ株式会社

・優秀賞(産業労働局長賞)
  デイブレイク株式会社

 

【ヒヨコーン部門】

・最優秀賞(東京都知事賞)
 株式会社ABABA

・優秀賞(産業労働局長賞)
 株式会社SOXAI

【協賛企業特別賞】

 ロッキングホース賞 株式会社バイオフィリア
 きらぼし賞     株式会社SOXAI
 プロネクサス賞   SUPER GENIUS AITEK
  ISSUE賞        株式会社ザブーン

 

 

個人的な講評と感想

IPOへの期待度大!の企業たち

ユニコーン部門は、創業3年以上&前期売上高1億円以上というエントリー条件があるため、ファイナリストは既にビジネスで大きな成果を上げている成長中の企業ばかりでした。いずれもグローバル展開を見据えたボーダレスなサービスや商品であるだけでなく、それぞれにオリジナリティやユニークさが光っていたと思います。また、経営ボードに優秀な人材を揃え、人的に充実している点も今後にとても期待が持てました。ちなみに余談ですが、COOポジションにキーエンス出身者が多いのは、グローバル展開を目指すベンチャーのトレンド?と思ったりしました。

一方、ヒヨコーン部門のエントリー条件は創業1~5年未満&前期売上高1000万円~1億円未満と社歴の浅い企業が対象です。私はヒヨコーン部門の審査が今年初めてでしたので、もっと粗削りなビジネスモデルや未完成のサービスが紹介されるのかと思いましたが、どの企業も既に市場内でサービスや製品の魅力を発揮し、バイオ系であればPMDA承認を取得していたりと、しっかり実績を積み上げている企業ばかりでした。

審査員達がディスカッションの中で「これはユニコーン部門で良いのでは?」と唸るような企業もあり、次回はぜひユニコーン部門でお目に掛かりたいなと思いました。 IPOを目指している企業は、いつかIPOを達成して公開会社としての発展が見られる日が楽しみです。

感想とまとめ

両部門を通して感じたことは、昨年にも増してSDGsとの関連性が高いビジネスやサービスの企業が増えたということ。私たち審査員は、収益性や成長性といった視点以外に、社会性や持続可能性の視点からも評価を行うのですが、この点に関してはどの企業も平均点以上の評価だったと思います。
これは普段、IPOコンサルタントとして仕事をしていても、最近の傾向として同様の実感があります。上場企業においては2023年1月の内閣府令等の改正により、有価証券報告書にサステナビリティに関する情報の開示が求められるようになりましたので、これからのベンチャーにも、当たり前のように環境や人権への配慮、人的資本における多様性確保などが求められていくことでしょう。

 

最後に、今回の受賞企業はもちろん、すべての参加企業がますます発展され、東京発のベンチャー企業として大きく飛躍されることを期待しております。

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