情報・通信業

証券審査、取引所審査対応

株式会社ジグザグ

業種
海外カスタマー向け購入支援サービス「WorldShopping」などの提供
都道府県
東京都
上場市場
2025年3月 東証グロースへ新規上場
従業員数
47人(支援当時)

支援項目

新規上場に係る主幹事証券審査および東証審査の対応支援をいたしました。

Q1.御社のビジネスを教えてください。

私たちは、「世界中のワクワクをあたりまえに」というミッションのもと、日本のECサイトと海外のカスタマーを気持ちよくつなぎ、国境を超えたスムーズな買い物体験の実現に取り組んでいます。現在は、「WorldShopping BIZ」と「WorldShopping」の2つのサービスを展開し、越境ECとウェブインバウンドの発展をサポートしています。

国内EC事業者向けの「WorldShopping BIZ」は、自社ECにタグを1行追加するだけで、特別なシステム開発なしに越境ECを開始できるサービスです。越境ECでは、注文フォームの多言語対応や、海外決済、物流(海外発送)、カスタマーサポートなどが障壁となりがちですが、「WorldShopping BIZ」はこれらの課題をワンストップで解消し、海外カスタマーにとってスムーズなお買い物体験を提供します。その利便性と安全性の高さ、リーズナブルな価格から、多くの企業様に支持されています。
これまでに数多くのECサイトにご利用頂いており、現時点で約1,200社以上が海外販売を拡大しています。現在はファッションやエンタメ業界を中心に活用されていますが、竹刀や釣り具などのスポーツ・アウトドア用品、スキンケア用品、オートバイの部品など、多様な業界、ジャンルでの利用が広がっています。

一方の「WorldShopping」は、日本国内のECサイトの商品を、海外在住のカスタマーに代わって購入し、配送までサポートする買い物代行サービスです。越境EC対応の有無にかかわらず、カスタマーの希望に応じて、日本のあらゆる商品を世界へお届けしています。

両サービスは、世界228の国と地域に対応し、とくにアジアや北米のカスタマーに広く利用されています。

越境EC市場は今後も拡大が予想されており、グローバルな購買ニーズに応えるためのインフラとして、さらなる発展を目指しています。

Q2.新規上場を目指すに至った経緯を教えてください。

越境ECやウェブインバウンド市場は右肩上がりに拡大してきましたが、コロナ禍でインバウンド観光客(リアルインバウンド)がゼロになった時、その危機感をキッカケに急速に成長しました。こうした市場の変化を受け、上場を通じた資金調達により、さらなる事業成長を図る必要性を強く認識するようになりました。そのため、より多くのEC事業者のビジネスを支援し、海外カスタマーの購買を促進することを目指し、約4年前から上場に向けて準備を進めてきました。

これまで当社は、配送、マーケティング、翻訳など、各分野のパートナー企業と積極的に提携し、サービスの質を高めてきました。上場によって認知度が向上し、多様な企業との連携が進めば、海外カスタマーにとって、より快適で利便性の高い購買環境を提供できるだろうと期待していました。

Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えて下さい。

5〜6年ほど前、当社の常勤監査役である長山が、かねてより取引のあったプロネクサスさんを通じて、御社をご紹介いただいたことがきっかけです。その後、長山監査役は、御社の城戸様が講師を務められたセミナーに参加し、幾度か問い合わせを重ねながら関係を築いてまいりました。

今回の上場準備を進めるにあたり、人員不足などの課題が浮かび上がるなかで、ぜひ御社の支援を仰ぎたいと考え、直接城戸様にご連絡差し上げました。

Q4.どのような課題やお困りごとがありましたか?

上場準備は、全社を挙げたプロジェクトとしてスタートしました。北村取締役と人事総務チーム担当者である斎藤の2名を中心に、管理部門のみではなく社長をはじめ各部門からメンバーが参画し、総勢十数名の体制で取り組んできました。

4年ほど前からガバナンスや組織体制の整備を着実に進め、会計面においても、外部の専門家と経理チームが連携しながらスムーズに対応してきたため、これらの分野については大きな懸念はありませんでした。
一方で、社内には上場審査・証券審査の実務経験者がいないことに加え、多くのベンチャー企業と同様に、人的・時間的リソースに限りがあり、社内対応のみで完結するのは難しいと感じていました。とくに上場審査では短期間で的確な対応が求められるため、外部支援の導入を本格的に検討することとなりました。

Q5.響きパートナーズを選んでいただいた理由を教えて下さい。

御社は支援実績が豊富で、審査対応に強みをお持ちであること、そしてなにより、ご担当の城戸様が審査対応に関して多くのご経験を積まれていること――これらの点が、御社に依頼を決めた大きな理由となりました。

上場準備の初期段階では、ほかの支援会社さんにも一部ご協力いただいておりましたが、審査フェーズに入る段階で、深い知見と確かな対応力を持つ御社にお任せするのが最適だと判断しました。また、御社は、ご担当者が一気通貫で最後まで伴走してくださるとの評判を伺っており、この点も御社に依頼する決め手となりました。

Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。

支援期間は2022年夏から2025年1月までにおよび、城戸様にはコンサルティングの枠を超えた柔軟で実務に即したご対応をいただきました。

城戸様は、幅広い業界の審査対応に精通されていたため、常にピンポイントで的確なアドバイスをいただくことができ、心強く感じておりました。一般的な支援会社では、回答の方向性や概要にとどまる提案も見られますが、城戸様は他社事例を交えながら、表現や言い回しの細部に至るまで的確なアドバイスをくださり、大きな支えとなりました。

当社は、タグ1行で導入可能なシンプルなサービスを提供していますが、その裏側では複雑な処理が多く、高度な専門性を要する事業内容となっています。そのため、上場審査や証券審査における事業説明やリスク整理は決して容易なものではありませんでした。そうした中でも、城戸様は当社の事業特性を深く理解したうえで、過不足のない回答例を提示し、審査を通過しやすい表現へと的確にアレンジしてくださいました。

また、当社の状況にしっかりと向き合い、時間を確保しながら常にていねいにご対応くださったことも印象的でした。回答期限が短いなかでも、週末を含め迅速にご対応いただけたことで、社内の準備時間を可能な限り長く確保でき、大変助かりました。

結果として、完成度の高い回答(ひとつの書類としてレベルが高いもの)を提出できたことで、実際の審査の場でもよい第一印象を持っていただき、全体としてスムーズに審査フェーズを終えられたと実感しています。

Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。

創業10年という節目の年に上場を達成し、多くの方々からお問い合わせをいただいております。

上場日には、東証に社員やその家族が集い、これまでの努力を振り返る貴重な機会となりました。IPO管理チームだけでなく、事業チームも日々の業績向上に尽力し、会社全体の努力が実を結んだと感じています。

今後は、「WorldShopping BIZ」の利用企業をさらに増やし、海外在住の日本のファンが、ECを通じてスムーズに買い物できる環境を、業界の標準として定着させていきたいと考えています。
日本の商品やショップとの接点は、旅マエ・旅ナカ・旅アトのあらゆるタイミングで生まれます。旅ナカでは、多くのインバウンド観光客が店舗を訪れますが、それをリピート利用に繋げられないという課題があります。越境ECを活用して、旅ナカから旅アトまで、日本のファンとショップと気持ちよく繋いでいきたいと思います。

私たちは、越境ECやウェブインバウンドを支援し、企業が海外カスタマーとの長期的な関係を築けるようサポートしてきました。これからも、ECの国境をなくし、世界中の人々に自由で快適な買い物の機会を提供していきたいと考えています。

さらに、これらの課題は日本国内だけにとどまらず、世界のECショップにも共通しているため、将来的にはグローバル市場でも同様の支援を展開していくことを目指しています。

上場は決してゴールではなく、さらなる成長への第一歩です。新たなステージへと進み、より大きな挑戦に取り組んでまいります。

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