支援項目
市場変更準備の包括的支援および市場変更Ⅱの部の作成、上場審査対応を支援いたしました。
Q1.御社のビジネスを教えて下さい。
そーせいグループ株式会社は、日本発の国際的なバイオ医薬品・創薬のリーディングカンパニーをめざす総合バイオ医薬品グループです。世界中の人々の健康・生活の質の向上に大きく貢献することをミッションに掲げ、世界をリードする最先端のテクノロジーを駆使して、患者様の人生を変える革新的な医薬品開発に取り組んできました。
創薬の担い手は、世界的に見ても我々のような創薬ベンチャーにシフトしてきています。医薬品の売上高では大手製薬会社が6割超を占めますが、開発品目数では創薬ベンチャーが約8割を占めており、創薬ベンチャーへの期待は高まっています。一方で、日本は世界有数の新薬創出国ですが、創薬には平均で10年から15年ほどかかり莫大なリソースを要することから、創薬ベンチャーの数はまだまだ少ないのが現状です。
プライム市場への市場変更前は、研究開発のほとんどを英国ケンブリッジの研究開発施設で行なってきましたが、現在は日英同等の比率で創薬に励んでおり、最先端の早期段階の研究はこれまでどおり英国が担い、日本では開発と販売に特化して、患者さまに新薬を届けるために突き進んでいます。
2024年4月1日には社名を「ネクセラファーマ」に変更すると同時に、英国・日本を含む全グループで商号を統一する予定で、次世代のヘルスケアを牽引する企業として、世界規模で創薬、開発を加速していきます。
Q2.市場変更を目指すに至った経緯を教えて下さい。
市場変更の最大の狙いは、中長期的な事業の成長を見据え、株主構成をより安定化することにありました。グロース市場の株主配分比率は、平均的に約8割が個人投資家で、機関投資家の参入は限定的です。ましてやバイオベンチャーは事業の専門性が高く、なかなか目を向けてもらえないことに加えて、長期保有されにくいことも課題のひとつでした。このような環境下だと、株価は短期的な上下が大きくなり、安定的な株主の方に参加いただくのが難しくなります。
一方、プライム市場では、一般的にバイオ企業であっても機関投資家の持株比率は6~7割くらいまで上がり、相対的にバイオベンチャーに目を向けてもらえる機会が増えます。こうしたことを背景に、環境を変える必要性を感じるようになり、2018年ごろから市場変更を真剣に検討し始めました。
Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えて下さい。
響きパートナーズさんの山川会長と小倉社長は、当社のOBということで存じ上げていました。お二人は、当社の2004年の東証マザーズ上場準備を担当された実績もあることから、市場変更をお手伝いいただく上場支援会社さんの一社として、候補に入れさせていただきました。
Q4.どのような課題、お困りごとがありましたか?
2021年からスタートした市場変更プロジェクトには約10名が関わりましたが、通常業務と並行して進めなければならず、多くの労力と時間がかかりました。また、前述のとおり市場変更前は英国が事業の中心だったのですが、日本とは社内ルールやポリシーが異なるうえ、時差があるため12時間待たなければ回答を得られないなどなにかと制約があって、内部統制やガバナンスの整備などに手間取りました。
そのようななかで、響きさんにはしっかりサポートしていただき大変助けられました。
Q5.響きパートナーズを選んで頂いた理由を教えて下さい。
プライム市場への上場は初めてのことで、手探り状態で進めなければならなかったため、二人三脚で柔軟にご対応いただける上場支援会社さんを探していました。何社かお話を聞いたなかでも、響きさんの対応は圧倒的に丁寧で、“そーせい愛”にあふれていたため、ぜひ我々のパートナーとしてご支援いただきたいと選ばせていただきました。
他の上場支援会社さんは、どちらかと言えば定常的な業務が中心となり、市場変更のプロセスで発生する多くの困りごとに都度ご対応いただけるかに不安が残ったのに対し、響きさんは必ずしもそこにこだわることなく、親身になって寄り添ってくださる支援スタイルが大きな魅力です。ゴールに向けて並走していただけそうだと第一印象で感じたとおり、密にコミュニケーションを取っていただけたので、安心して市場変更準備に臨めました。
Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。
響きさんにご支援いただいたのは、おもに上場審査用の書類の作成や質問回答の準備で、全般的に信頼してお任せすることができました。
とくに小倉社長とは、1日5回ほど電話でやり取りする日が続いた時期もあり、些細なことから難しい課題まで相談にのっていただきました。質問に対して的確な回答をすぐにいただけたので、本当に助かりましたし心強かったです。小倉社長には私の精神的な拠り所であり頼れるアドバイザーとして、最後までお付き合いいただき感謝しています。
また、経理やリーガル、コンプライアンス等の分野については、市堀さんや清水さんが細やかに対応してくださり、ドラフト作成などの業務を着実に進めていただきました。市場変更前の約3カ月はとくにナーバスな時期でしたが、うまく乗り切ることができたのも響きさんのお力添えがあってこそだと思っています。
Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。
プライム市場への市場変更から約1年が経ちますが、期待どおり株主構成が安定して、望む結果を得られたことに満足しています。信用力や認知度が上がり、採用面でも効果が表れていると感じます。社内においても上場のメリットは大きく、社内体制が強化されたことはもちろんのこと、社員のモチベーション向上にもつながっていると思います。これまでプライム上場を使命とし、長い期間をかけて準備に取り組んできましたが、市場変更をやり遂げたことで本来の業務により集中できるようになったのも利点です。
当社の今後の展望については、2023年夏にイドルシア社の日本法人が傘下に入りましたので、国内における新薬開発をさらに加速させ、ビジネスの発展のために万全を尽くしていくことに努めていきたいと思います。
製薬業界は今、変革の時期にあります。世界的に見ても、創薬はいっそう難しさを増しており、過去の薬を超える画期的新薬の開発を実現するのは、並大抵の技術では成し得ません。また、特に日本ではドラッグ・ロス(ドラッグ・ラグ)と呼ばれる問題により、欧米で承認された薬が患者様に届かない現状があります。
このような現状を踏まえ、当社はテクノロジーを駆使した新しいやり方を積極的に採用して、これまでにない製薬会社の価値を形作っていきたいと考えています。開発もそうですし、マーケティングについても効率化が必要でしょう。薬がなくて困るような状況を少しでも減らすために、我々の努力で解決していきたいと望んでいます。
4月1日よりネクセラファーマとして、新たな船出に乗り出します。患者様が必要とするお薬を届けるために、これからも創薬をリードする企業として邁進していきます。