支援項目
社内規程の見直しをはじめ、市場変更Ⅱの部の作成、上場審査対応を支援いたしました。
Q1.御社のビジネスを教えて下さい。
フルヤ金属は、プラチナグループメタル(PGM)に特化した工業用素材や部品に加工する工業用貴金属製品メーカーです。貴金属のなかでも加工が難しいといわれているプラチナグループメタルのうち、主としてイリジウムとルテニウムを扱っており、世界トップシェアを誇る「イリジウムルツボ」「ルテニウムターゲット」等の製品を国内外の幅広い産業に提供しています。
イリジウムおよびルテニウムは、電子産業や環境産業から高い関心を寄せられている希少金属です。市場のニーズにお応えするため、当社は高度な加工技術と高純度精製技術を確立し、資源の安定調達から、加工、高純度生成、回収リサイクルまでワンストップで対応できる体制を構築しています。イリジウム、ルテニウム製品の一貫生産体制を敷く世界でも屈指の企業として、事業の5本柱である電子、サーマル、薄膜、ケミカル(化成品、回収精製の2本柱)の各分野で新技術および製品開発を強化し、さらなるシェア拡大をめざしています。
Q2.市場変更を目指すに至った経緯を教えて下さい。
2013年7月に、東京証券取引所 JASDAQ(スタンダード)に上場して以降、市場変更の機会をうかがっていました。景気不安や東証の市場変更見直し等の理由により、幾度か市場変更を見送ってきましたが、2022年11月、東証市場再編によりプライム市場の要件が確定したことを受け、企業価値の向上とガバナンス強化を目的としてプライムへの市場変更に挑戦しました。
Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えて下さい。
JASDAQ(現スタンダード市場)上場時から、有価証券報告書等のサポートをお願いしているプロネクサス様からご紹介を受けたのがきっかけです。プロネクサス様に、市場変更の準備にあたって社内リソースが足りず、外部の力を必要としていることを相談するなかで、響きパートナーズ様をご紹介いただきました。会社概要や過去の実績などを詳しくご紹介いただいて、市場変更をめざすパートナーとしてたいへん興味をそそられました。
Q4.どのような課題、お困りごとがありましたか?
プライム市場への上場準備にあたって、もっとも難航しそうだと思われたのは市場変更Ⅱの部(有価証券報告書)の作成です。プライム市場は従来の東証一部とはまったくの別物という認識でしたし、JASDAQ上場時と比べても格段に記載項目が多く、自社で積み上げていた知見もおそらく役に立たないだろうと推測されました。また、当初から概ね2年以内に市場変更を果たしたいと期限を設けており、可能であれば1カ月でも早く、最短で上場したいと希望していました。そのため、8名のショートスタッフで、かつプライム市場への上場経験を持つ者もいないなか、自社のリソースだけで一からやっていたのでは到底間に合うとは思えず、プロの力を借りる必要性を感じていました。
Q5.響きパートナーズを選んで頂いた理由を教えて下さい。
プロネクサス様からの紹介であり、当社が懸念していた市場変更Ⅱの部の作成をスケジュール管理含めてしっかりサポートしていただけること、価格のイメージが合致したことなどが決め手となりました。プロネクサス様と情報共有しながら進めていただける点も安心材料でした。
市場変更申請書類の提出まで比較的タイトスケジュールだったため、今振り返っても社内で準備を行なうのは限界があっただろうと感じます。上場支援の実績豊富な響き様にお願いして、スケジュールどおりに進めることができて本当によかったと思っています。
Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。
響き様には、迅速かつ正確に対応していただきとても満足しています。市場変更Ⅱの部の作成にあたっては、限られた資料のなかから必要な情報をたぐり寄せて、完成度の高い書類を作成していただきました。こちらではさほど筆を入れることもなかったため、順調に仕上がったなという印象を強く持っています。当社の事業内容は、外部の方だとなかなかつかみきれない部分が多いのですが、幾度か打ち合わせするなかで確実にご理解いただけてありがたく思っています。
また当社が設定していた移行期限についてもご理解くださり、段取りよく準備を進めていただいたので、安心して予定どおり上場審査に臨むことができました。メールでのやり取りもとてもスムーズで、市場変更Ⅱの部以外にも審査質問の対応についても的確にアドバイスいただき非常に心強かったです。
今回の市場変更にあたって、響き様には小倉社長をはじめ3名の方にご支援いただきました。お三方ともプロフェッショナルらしい誠実な対応で、細部まで丁寧に配慮いただき心より感謝しています。とくに短期間で作成いただいた書類のクオリティーの高さには、担当者一同感服しており、「あれは自分たちで作れる代物ではなかった」と今でも話題にしています。
Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。
当社は、環境経営に軸足を置いて、さらなるエレクトロニクスの発展に寄与していくことをめざしています。私どもが提供する素材は、暮らしのなかの身近なモノにも使用されています。スマートフォンを例にとっても、ディスプレイのみならず、フィルターや配線などにもイリジウム、ルテニウムが使われており、幅広い分野で有用性の高い素材として重宝されています。これらを安定供給することで、日本の製造業をバックアップするとともに、日本における製造業の復活を陰ながら支えていけたらと考えています。
また、環境ビジネスにおいては「水素」が大きな注目を浴びていますが、水素を造る際に電極の触媒として用いられるのがイリジウムです。イリジウムは、いわゆる水素社会を支える素材であることから、世界的に安定供給が求められています。それを担保するのが当社の使命のひとつであると捉えており、リサイクル技術の向上およびイリジウム使用量を抑えた製品製造のための技術開発に向けて、よりいっそう力を入れていきたいと思っています。
スタンダード市場からプライム市場に移行してから間もないため、明白にメリットを実感するまでには至っていませんが、今回の市場変更を足がかりに、幅広い投資家の方々と接点を持つ機会が増えるだろうと想像しており、開発費用をはじめとした資金調達の面でも追い風になることを期待しています。
また、東証プライム市場の一員として、社会的責任もしっかりと果たしていきたいと思います。